
通う円 Transit Loop

目に映るもの
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想い・自己PR
本企画に応募するにあたり、作品を設置することだけでなく、そのプロセス自体に関われることに大きな魅力を感じています。
西国分寺駅やその周辺は、私自身にとって繰り返し通ってきた場所であり、制作の原点とも重なる場所です。そのため今回の制作は、単に新しく作品をつくるというよりも、自分の中に積み重なってきた時間を、公共の空間にひらいていく試みだと感じています。
同時に、駅という場所が多くの人にとって日常の一部であり、それぞれ異なる背景や感覚を持つ人が行き交う場所であることも意識しています。今回の審査プロセスのように、住民や利用者、専門家の方々の視点が段階的に反映されていく仕組みは、その場所にふさわしい作品を考える上でとても重要だと感じています。
制作にあたっては、自分の表現を押し出すだけでなく、いただいた意見や反応を受け止めながら調整していくことも含めて、作品の一部として捉えたいと考えています。通路という日常的な空間の中で、無理なく存在しながらも、ふとした瞬間に何かが残るような作品を目指したいと思います。
また、レガシーとして残る可能性があることも踏まえ、長くその場所にあり続けることを意識した制作と向き合っていきたいと考えています。
作品の具体的な内容・手法
本作品は、西国分寺駅中央線と武蔵野線を接続する通路のコーナー壁面に設置する平面作品である。
壁面サイズは高さ約2m、左壁面約2.7m、右壁面約3mであり、両壁面を一体的な画面として構成する。作品の中心には武蔵野線の循環構造をイメージした円環状の線を配置し、この円は壁面の角をまたぐように構成される。通路を移動する視点によって形が連続的に知覚される構成とする。
作品は事前にアトリエにて制作し、完成後に壁面へ設置する方式とする。支持体には軽量かつ耐久性のあるパネル(アルミ複合板や木製パネル等)を使用し、アクリル絵具、ペン、オイルパステル等によって描画する。刷毛による太い線と細い描線を重ねることで、反復する移動と時間の蓄積を表現する。
設置方法については、壁面へのビス固定や専用金具を用いた確実な取り付けを行い、通行者が接触しても脱落しない構造とする。また、作品の角やエッジ部分は面取りや保護処理を施し、安全性に配慮する。
円の外側には、武蔵国分寺跡や仁王門、泉ホールなど地域に関わる要素を簡略化した記号として配置し、さらにペンシルロケットに由来するロケットのモチーフを細い線によるドローイングとして点在させる。「LOVE」という文字も大小や線の強弱を変えて配置し、通過する人々に向けた視覚的なリズムと感情的な余白を生み出す。
作品コンセプト
私にとって武蔵野線と西国分寺駅は、ただ通過する場所ではなく、自分の時間が積み重なっている場所です。
かつて私はこの地域の病院に通院していました。同じ道を何度も往復する日々の中で、気持ちや身体の状態が揺れ動くこともありましたが、その中で絵を描き、ほめてもらえた経験が、今の制作の出発点になっています。
通うという行為は、一見すると変化のない繰り返しのようでいて、その中で見えるものや感じることは少しずつ変わっていきます。自分にとってこの場所は、そうした小さな変化が積み重なっていった場所でもあります。
また、このまちには武蔵国分寺跡などの歴史があり、さらにペンシルロケットの実験が行われた、日本の宇宙開発の始まりの場所でもあります。長い時間の蓄積と、小さな出発点が同時に存在していることに、どこか自分自身の経験とも重なるものを感じています。
中央線と武蔵野線が交差するこの駅の通路は、多くの人が日常的に通い、行き交う場所です。その動きと、自分自身の「通ってきた時間」を重ねながら、反復する移動とその中で生まれる変化を作品として表現したいと考えました。