目に映るもの
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目に映るもの


作品コンセプト
鷹の目は鋭く狙い、広く捉える。
自在に飛べるなら、その目で何を映すだろうか。
捉えて離さぬうちに焼き付けよう。
古の時代から現代に渡るまでの場面がこのまちを形作っていることを、絵巻や鳥瞰図を眺めているようにして感じられるアートにしたいと考えています。
武蔵野線利用者が常に目にするものになるため、いつも寄り添う事ができるアートにすることも目指します。
このまちにとって大きな意味を持つモチーフをベースに、史跡の跡がつくる模様、電車の車窓の形などがこっそり隠れているといった遊びも盛り込むことで、絵全体を見渡しても細部に近寄ってもそれぞれの見方で発見ができる仕掛けが作れるように構成することを目指します。
想い・自己PR
私たちは、アートとは単なる壁面の装飾ではなく、その土地が持つ「記憶」と、そこに集う人々の「今」を繋ぎ、未来へ語り継ぐための装置であると考えています。
府中本町は、1900年以上の歴史を刻む大國魂神社、武蔵国の中心であった国府遺跡、そして現代の熱狂を象徴する東京競馬場と、驚くほど多層的な物語が「地形」という一つのキャンバスの上に重なり合っている稀有な街です。この街の起伏に富んだダイナミズムを、武蔵野線の起点である駅の壁面に描くことは、表現者としてこの上ない喜びです。
本プロジェクトでは、私自身もディレクター兼描き手として現場に立ち、現役作家である弊社のスタッフと共に、全神経を集中させて筆を動かします。 私たちは大手テーマパーク等の厳しい安全基準の中で「物語を具現化する技術」を磨き、企業の想いをアートに昇華させる現場を数多く経験してきました。この「感性と技術の両輪」があるからこそ、駅という公共空間において、クオリティと安全性を高い次元で両立させながら、人々の心に深く残るアートを創出できると自負しています。
ライブペイント中に住民の皆様から寄せられる付箋一枚一枚の想いを、私たち描き手が直接受け取り、大切に絵筆に乗せていきます。完成した壁画が、府中本町駅を利用するすべての方々にとって「自分たちの街の誇り」となり、10年後、20年後もこの街のアイデンティティとして愛され続けるレガシーとなることを約束いたします。
作品の具体的な内容・手法
【表現内容・形態】 府中本町の「歴史・地形・エンターテインメント」を、「鷹狩り(鷹 / 武将の後ろ姿)・大國魂神社・競馬場・市の花:梅・けやき並木・武蔵国府(建物 / 蹴鞠)・多摩の横山など。ストーリー性も加えた壁画作品です。
駅利用者の歩行スピードに合わせて風景がダイナミックに変化する視覚体験を創出します。
【サイズ】
規定範囲内(H 3 x W 19 m )を最大限に活用。あえて周囲に適切な余白を持たせることで、壁面そのものの素材感とアートを調和させ、圧迫感のない洗練された空間構成とします。
【使用素材】
駅構内の公共性と長期展示を考慮し、以下のプロ仕様の画材を採用します。
・ベース・描画:耐光性に極めて優れ、退色の少ない「高耐候性アクリルエマルション塗料」および「プロ用特殊ペイント」。
・仕上げ:表面を保護し、摩耗や汚れから守る「防汚・耐摩耗トップコート」を検討。
【制作方法:ライブペイントによる手描き描画】
デジタル出力やシート貼りでは出せない「筆跡の温度感」を重視し、全行程を直接手描き(ハンドペイント)で行います。
・下地処理:両面テープ跡 / 既存塗料の剥離の除去、問題ない凹凸は痕跡として残し、既存壁をそのまま残しつつ描画する予定です。※必要な場合下地材料の塗装をします。
・下図作成:事前に作成した原画を基に、プロジェクター投影により下描きを行います。
*夕〜夜間作業希望 ・ライブペイント:制作過程を公開し、乗客の皆様の視線を感じながら描き進めます。対話から得たインスピレーションをディテールに反映させ、日々変化するアートの熱量を駅全体に波及させます。
【制作方法:地域と歩むライブペイント・プロセス】
本プロジェクトでは、描くプロセスそのものを地域住民や駅利用者との「対話の場」と定義し、作品のクオリティ維持と市民参加を両立させた以下のステップを展開します。
①「想い」を集めるメッセージボードの設置
制作期間中、現場に「府中本町の記憶と未来」を書き込める大型ボードを設置します。通行者の皆様に、街への思い出や壁画への感想を付箋に記して貼っていただく形をとります。直接的なリクエストではなく「街への想い」を可視化することで、アーティストがその温度感を受け取り、作品全体の空気感やディテールに昇華させていく「静かな共創」を実現します。
②「共創」を形にする参加型スポットペイント
制作期間中の特定日に、事前告知に基づいた参加型イベントを実施します。 ・参加方法:駅構内掲示等で事前に告知し、当日先着順にて受付。 ・内容:作品の一部に、参加者1名につき10cm×10cm程度の専用枠をあらかじめ配置します。こちらで用意した指定色の絵具を使用し、関連性のあるモチーフ(例:神社のケヤキの葉、競馬場の芝など)の「塗り絵」形式でご参加いただきます。 ・狙い:明確な枠組みを設けることで、小さなお子様から大人まで安心して参加でき、かつ壁画全体の芸術的な統一感と高いクオリティを担保しながら、住民が「自分の描いた場所がある」という一生の愛着を持てる機会を創出します。
③「記憶」を共有するレガシー化
ライブペイントとワークショップを通じて生まれた交流を、完成後の作品に「地域の生命力」として定着させます。住民の皆様の想いが積み重なり、命が吹き込まれていく様子を公開することで、府中本町駅を単なる通過点ではなく、愛着ある「自分たちの場所」へと変えていきます。
ポートフォリオ
アーティストとしての経歴・活動実績
2000年立川市で「AR,TEE’S(アーティーズ)」として独立開業。以来、空間やコンセプトをアートで紐解き、そこに集う人々の記憶を呼び覚ます「ストーリー性のある表現」を追求し続けています。
私の原点は、学生時代の版画や写真への没入にあります。写真という現実の記録(事実)の上にドローイング(想像力)を重ねる手法は、現在の「街の歴史にアートを重ねる」というスタイルに深く息づいています。独立前には大手テーマパーク(TDL/TDS/USJ等)などでの造作や特殊塗装、壁画制作に携わり、徹底したクオリティで「物語の世界」を現実空間に具現化する特殊技術を磨き上げました。現在は、代表である私が全体のストーリーをディレクションし、2013年に入社した現役の版画作家でもあるスタッフが高い描画力で細部に命を吹き込む、技術と感性が共鳴するチーム体制を敷いています。
その代表作の一つが「スターバックスコーヒー北仲 ブリック&ホワイト店」における壁画制作です。珈琲が育つ環境を、朝日から夕陽に向かう移ろいをまるで一枚の壮大な絵巻物のように繋ぐストーリー性の高いドローイングで展開し、多くのファンに愛される空間を創出しました。様々な商業空間で、地産地消や企業のストーリーのある想いを汲み取り、アートへと昇華させるプロセスを数多く経験してきました。公募展や個展で培った純粋芸術の感性と、大型施設での施工実績という「感性と技術の両輪」を武器に、その土地の地形、歴史、そして人々の想いを一つの大きなうねりとして定着させる、唯一無二のアートワークを展開しています。