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作品の具体的な内容・手法

作品は、西国分寺駅の武蔵野線連絡通路壁面に合わせた、分割パネルによる壁面平面作品として制作します。壁面のスケールを活かすため、左壁面は最大約W2700mm×H2000mm、右壁面は最大約W3000mm×H2000mm、全体で約W5700mm×H2000mm以内を想定しています。床面からの接触・汚損や設備部分への配慮として、下部に約500〜700mm程度の余白を設ける可能性も含め、最終寸法は採択後に主催者・施設管理者と協議のうえ決定します。

 

壁面全体を一枚の“地形の譜面”と見立て、崖線・水脈・風・線路・人の流れを思わせる有機的な線を、手描きの表現をベースに描きます。固定された五線譜ではなく、地形や水の流れのようにゆるやかに変化する複数の線を構成し、その上に地域の方々がフィンガーアートで描いた円を重ねていきます。

 

円は、湧水の波紋、木の年輪、人の記憶や参加の痕跡、そして“音の種”を象徴します。ワークショップ等で生まれた円の要素は、作家が最終的に壁面作品全体の中に統合し、ひとつの“音楽の原譜”として完成させます。

 

素材は、軽量で安全性の高い分割パネルを想定しています。軽量木製パネル、キャンバス貼りパネル、アルミ複合板等の中から、採択後に主催者・施設管理者と協議し、安全性、耐久性、原状回復性に適した仕様を選定します。手描きの質感を活かしつつ、必要に応じて表面保護や高精細出力を組み合わせます。

 

完成した作品は、駅を利用する人が立ち止まらなくても、日常の移動の中で地形や水の流れ、人の気配を感じられるよう、流動的で視認性のある構成を目指します。また、希望者がより深く作品に触れられるよう、完成作品から制作した短い音楽作品をQRコード等で聴ける形式も検討します。駅空間に直接音を出すのではなく、利用者が任意で自身のスマートフォン等から鑑賞できる方法とします。

 

設置にあたっては、駅設備に直接ペイントせず、壁面を傷つけない原状回復可能な掲示方法を前提とします。具体的な固定方法や分割数、施工仕様については、採択後に主催者・施設管理者と協議のうえ、通行動線や保守点検、配管・配線等に配慮して決定します。

目に映るもの

コメント・投票フォームは下記にあります。

崖線の譜面

— The Score of Musashino

コメント・投票フォームは下記にあります
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作品コンセプト

本作品は、西国分寺駅周辺に残る国分寺崖線、湧水、緑地、武蔵国分寺跡などの地形と時間の記憶を、線と円による視覚的な“譜面”として駅空間に立ち上げる作品です。

 

私は、自然や場所そのものを劇場として捉える「Nature Theater」という考え方をもとに、土地に眠る記憶や人の営みを音楽・語り・空間体験として表現してきました。本作では、駅を単なる通過点ではなく、足元の土地が持つ見えない音に出会う入口として捉えます。

 

壁面には、崖線、水脈、風、線路、人の移動を思わせる複数の流れる線を描きます。そこに、地域の方々がフィンガーアートで描く円を重ねていきます。円は、湧水の波紋であり、木の年輪であり、人の記憶や参加の痕跡であり、同時に音の種でもあります。

 

完成した視覚作品は、作曲家である私がその線の流れ、円の位置、高さ、密度、大小、重なりを読み取り、最終的に音楽作品へと変換します。人々の参加によって増えた円が、音の流れや響きとなって立ち上がる。これは、地域とともに描かれた絵が、象徴的な譜面となり、最後に音楽として響き始める、共創型のNature Theaterです。

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アーティストとしての経歴・活動実績

作曲家・文化設計プロデューサー。音楽、語り、映像、地域文化、参加型アートを横断し、土地や人の記憶を作品化する活動を行っている。自然や場所そのものを劇場として捉える「Nature Theater」を構想し、風景・歴史・人の営み・自然の気配を、音楽・物語・空間体験として立ち上げる表現を探究している。

瀬戸内国際芸術祭では、宇野港オープニングの企画演出を担当し、地域の子どもたちと共に町の歌を制作。発表当日は観客も含めた約600人で大合唱を行うなど、地域とともにつくる共創型プロジェクトに携わった。KSBふるさとソングプロジェクトでは、各学校や地域と連携し、まちの魅力を歌として残し、子どもたちと歌い継ぐ取り組みを行った。ダイワハウスとの「浮世音」制作プロジェクトでは、阿蘇や北海道など各地に滞在し、地域の方々へのヒアリングをもとに、その土地の風景や記憶を映像と音楽の作品へと昇華するアーティスト・イン・レジデンス型の制作を行った。

作曲家として、イブラ・グランド・プライズ(イタリア)作曲家部門名誉賞、ULJUS国際コンクール(セルビア)映画音楽部門第1位を受賞。カンヌ国際映画祭入選作品「ORIGAMI」テーマ曲提供、KSBスーパーJチャンネルのメインテーマ曲担当、NHK岡山「いにしえピアノ」メイン出演、G20会合(岡山)歓迎レセプションでの演奏など、映画・テレビ・国際文化交流・公共性の高い場での音楽制作・演奏を行う。 大阪・関西万博インドパビリオン映像音楽演出、ムーミンバレーパークにおける映像・音・フィンガーアートの色彩を組み合わせた空間演出およびクリエイティブディレクション、第22回岡山芸術文化賞準グランプリ、第1回福武教育文化賞、おかやまアワード2018特別音楽賞などの実績がある。また、視覚表現の活動として、ニューヨークでのポストカード展にも絵画作品を出展している。

近年は、誰でも指で円を描くことができる「フィンガーアート」を通じて、禅、平和、つながり、循環を象徴する参加型アートにも取り組んでいる。本応募では、これまで培ってきた地域共創・滞在制作・音楽化・空間演出の経験をもとに、武蔵野線各駅の土地の記憶を、視覚作品と音の体験へと展開したいと考えている。

想い・自己PR

駅は、多くの人にとって毎日通り過ぎる場所です。しかし、その足元には地形があり、水の記憶があり、歴史や暮らしの積み重なりがあります。MUSASHINO ART RAILWAY FESTIVALの「駅とまちをアートでつなぐ」という考え方に触れ、駅を単なる移動の通過点ではなく、土地の記憶に出会う入口として捉え直せることに大きな可能性を感じました。

 

私が提案する「崖線の譜面」は、西国分寺駅周辺に残る崖線、湧水、緑地、武蔵国分寺跡などの見えにくい時間の層を、地域の方々とともに線と円で描き、さらに音楽へと展開する作品です。参加者が描く円は、単なる装飾ではなく、その人がこの土地に感じた記憶や気配の痕跡です。作品が完成していく過程そのものが、地域の人々と駅との新しい関係性を生み出す時間になることを目指しています。

 

また、本作品は完成して終わるものではなく、視覚作品を“原譜”として読み取り、音楽へと変換する点に特徴があります。駅を利用する方が、壁面作品を見たあとにQRコード等から音を聴くことで、普段通り過ぎていた場所の奥にある地形や水脈、人の営みを、もう一度感じるきっかけになればと考えています。

 

私はこれまで、地域の方々との対話や参加を通して、土地の物語を音楽や空間体験として立ち上げてきました。今回も、作家が一方的に作品を設置するのではなく、地域の方々の参加の痕跡を作品の中に残し、駅を利用する人が少しずつ自分のまちを見直すきっかけをつくりたいと考えています。

 

武蔵野線の駅に、ただ鑑賞されるアートではなく、土地と人の記憶が重なり、音としても受け取ることのできる新しい公共的なアート体験を生み出したいです。

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